シロアリの生態

シロアリは、湿気を好み家屋・地中・腐木などに栄巣します。
シロアリによる被害は、地震・台風・火災に次ぐ
第4の災害と言われています。
特に、最近では、郊外の丘陵地がどんどん宅地化されており、そこに建つ住宅は、
シロアリにとって格好の棲家となってしまいます。また、その被害も、年々増加の
一途をたどっています。しかも、シロアリの被害は建物の外側からは発見しにくく、
気がついた時にはかなり進行していることも少なくありません。
被害箇所を放っておくと建物倒壊の恐れもあります。

発見方法

・4月〜7月の時期に無数の羽アリが飛び出した家屋
・床下内の基礎コンクリート、束石、土台、柱などの表面に蟻道(土のトンネル)が
 ついている。
・床がキシム、襖や障子の建て付けが悪くなっている。
・風呂場、脱衣室の柱が腐っている。
・柱など木材部分をハンマーで叩いてみて、空洞があるような音がした時は内部
 食害されている可能性があります。

※素人の手には負えません。

  イエシロアリ ヤマトシロアリ
屋根裏・床下・土中・立木中・立木の根の
下、壁の中に木クズなどを固めた巣を作る
加害材木中にコロニーが出来る
特別な巣を作らない
加害木材 湿った木材とは限らない 湿った木材を好む
加害部分 地上から上方、屋根裏まで 地上から近い部分のみ
加害痕 辺材、心材、食べられたあとがきれい 主として辺材、食べたカス
で汚い
羽アリ 体長・体色 6.5〜8.5mm、淡褐色 4.5〜7.5mm、淡褐色
飛び立つ時期 6月〜7月 4月中旬〜5月中旬
飛び立つ時刻 夕方から夜間、灯火に群飛 雨後むし暑い昼間
兵アリ 体長 4.5〜6.5mm 3.5〜6.0mm
頭形・頭色 卵形、淡褐色 楕円形、淡褐色
特長 白色の粘膜を出す 粘膜は出さない

ヒラタキクイムシ

 木材を食害する昆虫で、用材となり乾燥した木材を食害し木粉を出す昆虫はヒラタキクイムシ科に属する甲虫です。 
ヒラタキクイムシは数十種が知られ、建築物の木造部分を 孔加害し、乾燥材害虫としてはシロアリに次ぐ被害を
与えています。
また、乾燥木材を食害し木粉を排出する種類には他にシバンムシ科、ナガシンムシ科の昆虫などがあります。
 日本には4種類のヒラタキクイムシが発見されていますが、そのなかでヒラタキクイムシとナラヒラタキクイムシが
大きな被害を与えます。
この2種類のうち後者のナラヒラタキクイムシは北方系の種類で日本では北海道だけに分布しています。
前者のヒラタキクイムシは南方系の種類で分布範囲も広く、熱帯、亜熱帯、温帯に生息し日本にはかなり古くから住みつき、
関東以南、四国、九州が分布区域になっています。
 戦後、南方材としてラワン材の輸入が増加しましたがこのラワン材がヒラタキクイムシの繁殖に最も適しており、
防虫対策をしないまま家具、床板、合板等に大量使用され急激にヒラタキクイムシの被害も目立ってきました。
今後日本の建築材、或いは加工材として南方産広葉材の使用が増えると考えられ、これの薬剤処理なしでは絶対に
ヒラタキクイムシの被害を防止することはできません。

↑シロアリによる束柱の食害
↑シロアリによるタタミの被害(表)
↑シロアリによるタタミの被害(裏)